LABOTEC EAST JAPAN CO.,Ltd.
社長インタビュー

【社長インタビュー】ラボテック東日本の創業について

自らもユーザーとして現場に立つからこそ、顧客が本当に求める装置を開発できる。
環境分析・自動分析装置メーカー、ラボテック東日本の金田社長に、顧客の「省力化」と「コスト削減」を実現する独自の強みと、事業の未来像について伺いました。

Q:ラボテック東日本が創業された経緯についてお聞かせください。

ラボテック東日本は、2012年12月に創業しました。
ラボテックは広島に本社を置いており、昔は東北や九州のお客様に多くご導入いただいておりました。
九州は広島から近いので良いのですが、東北のお客様へのサービスをさらに向上させる、関東のお客様にPRするために以前から東京に拠点を設ける構想がありました。

しかし、開発部門(LAセンター)の人員が限られていたこともあり、「総論は賛成、各論は反対」という状況が5年ほど続き、計画はなかなか前に進みませんでした。
そうした停滞期を乗り越え、2011年頃に設立の機運が高まり、翌2012年にラボテック東日本が誕生したのです。

Q:代表として、特に大切になさっている価値観や指針がございましたらお聞かせください。

「お客様に安心して装置をご利用いただき、お客様を第一に考える」
この想いが、ラボテック東日本の原点です。
広島本社よりもアクセスしやすい東京から、営業・技術両面で迅速なサービスを提供することで、東日本のお客様に、より大きな安心感と利便性をお届けできると考えています。

Q:ラボテックの強みや、他社に負けないところを教えてください。

私たちは分析装置のメーカーであると同時に、自らも計量証明事業を手がけるユーザーです。
この独自の立場を活かすことで、現場のニーズや法改正にお客様と同じ目線で向き合い、他社には真似のできない「計量証明の現場で本当に必要とされる装置」を開発することができます。
これこそが、私たちの最大の強みだと考えています。

Q:環境分野での社会的責任や持続可能性に対する思いはいかがでしょうか。


私たちの直接のお客様は、環境分析や水道水、工場排水、作業環境、製品分析などを手がける事業者の皆様です。
そしてその先には、自社の社会的責任や持続可能性を高めるために、第三者機関による分析を必要とされる企業様がいらっしゃいます。
私たちは、計量証明事業を行うお客様を分析装置の販売やサポートで支えることこそが、社会の持続可能性やSDGsといった目標達成に貢献していく道だと信じています。


Q:現在取り扱っている主力製品について教えてください。

現在は主に、自社開発したラボテック製の分析装置を取り扱っています。
具体的には、河川などの水質汚濁を示すBOD(生物化学的酸素要求量)やノルマルヘキサン、プールや浴槽水の水質を測る過マンガン酸カリウム消費量、そして色度、濁度、pHといった基本的な項目を測定する装置などです。
また、これらをシステム化した製品もご提供しています。
その他にも、作業環境測定で用いられる有機溶剤のオートサンプラーや、工場向けのオンライン分析装置、さらには試験室全体の設計から消耗品の販売まで、幅広く手がけています。

Q:今、注目している技術や分野はありますか?

近年、著しく精度が向上している画像解析技術に注目しています。
これにカウンターや色解析、AIといった技術を組み合わせることで、従来にはない、全く新しい分析機器を開発できるのではないかと考えています。

Q:今後の事業展開について、どのような展望をお持ちですか?

短期的には、お客様へのサービス体制の強化と、機器開発部門の人員充実に注力していきたいと考えています。
中期的には、東日本エリアにも分析環境を整備し、広島本社と同水準のサービスを提供できる体制を構築していくことが目標です。

Q:御社の製品がお客様にもたらす最大のメリットは何でしょうか?

私たちの製品は自動分析装置であり、お客様の「省力化」と「コスト削減」に貢献できる点が最大のメリットです。
昨今は少子高齢化を背景に分析技術者の確保が難しく、人件費も高騰しています。
そうした課題を、私たちの装置が解決します。
以前、長年お付き合いのあるお客様に我々の装置をご導入いただいた際、「なんでもっと早く教えてくれなかったんだ」と、嬉しいお叱りを受けたことがあります。
私たちの提案が至らなかった点への反省と同時に、導入後すぐに効果を実感し、喜んでいただけたことが心から嬉しかったですね。
特に、毎日大量のBODを測定される全国の浄化槽協会の皆様からは、「もはや、なくてはならない装置だ」というありがたいお言葉をいただいています。

Q:技術革新を続ける上で、どのようなチャレンジを重視していますか?


広島本社では当たり前に行われている計量証明事業や機器開発を、このラボテック東日本で独自に確立していくこと。
それ自体が、私たちにとって最大のチャレンジです。
今まさに新しい開発環境を整えている最中で、広島とはまた違う、東日本のお客様に寄り添ったご提案ができるよう準備を進めています。

Q:お仕事を通じて、最もやりがいを感じられるのはどのような瞬間でしょうか。


やはり、お客様に心から喜んでいただけた瞬間に尽きますね。
年に数件ですが、試験室を丸ごと設計する機会があります。
分析機器はもちろん、純水器や作業台、恒温室といった設備から、コンセントの位置や給排水、排気に至るまで、すべてをプランニングします。

私たちの仕事は、単に機器をレイアウトするだけではありません。
必ず10年先を見据え、将来の検体数増加も考慮しながら、不要なランニングコストを徹底的に削るご提案をします。
そのために、設備メーカーに特注品を依頼したり、なければ自社で製作したりと、たとえ初期費用が多少かかっても、長期的な視点でお客様にメリットを感じていただける設計を追求します。
以前、お客様から「シェルフにしては高いと思ったけど、これにして本当に良かったよ」と、嬉しいお言葉をいただいたことがあります。
私たちの提案の真意を理解し、価値を実感してくださった。
その喜びは何物にも代えがたいですね。

Q:最後に、金田社長が仕事や人生において「大事にしていること」を教えてください。


私は根っからの仕事人間かもしれませんが、常に「答えはすべてお客様とのコミュニケーションの中にある」と考えています。
お客様の課題を深く理解し、その期待を超える提案ができるかどうかが、私たちの仕事の真価です。
突き詰めれば、仕事とは「ありがとう」を集めることだと思っています。
お客様からいただく一つひとつの「ありがとう」が、私の、そして会社の原動力です。

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